<< 日本の稲、良い
米はいい >>
天日干し
2020-10-01 09:16:10
――時刻は昼。
――場所は田。

草薙悠弥は天日干しを見ていた。

稲があった。
稲がまとめて干してある。

(はざかけだな)

はざかけは稲を天日干しする古来からある手法である。

基本、稲狩り後に行うもの。
田に稲を天日干しするための「はざ」を立てる。
そこに稲をまとめ、干すのだ。
日の光、自然の風、流れる時間が、米の良さを引き出す。

(ふむ)

はざかけされた、稲の天日干しの光景。
その自然風景が海のように広がっている。

(良い)

天日干しの光景を見て草薙は思う。

茶色の稲がたくさんまとまっている。
一面に広がる稲のはざかけ、天日干し。

その光景を良いと、草薙は思った。

(……調和だな)

自然に寄り添った調和ともいえる。
古来から続く稲と人との対話のようにも思えた。

少し大げさだが、これらの営みがもたらした恩恵を考えればあながちそうでもしれもないかもしれない。

草薙悠弥と稲の天日干し(はざかけ)の話
https://ncode.syosetu.com/n0114gn/