2024-10-13 08:35:36
草薙悠弥、食べて応援
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この度は、ご支援いただきまして
誠にありがとうございました。
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草薙の元に届いた文には感謝の言葉がしたためられていた。
届いたのは……
――石川県、能登。
日本の地方。ここは近年大変な苦難があった。
そしてあがる支援と助けを求める声。
それに応える形で草薙は能登を支援した。
そして――
「塩だ!!」
支援の返礼品として塩が送られてきた。
能登の塩である。
海の味だ。
能登は海の地である。
支援した結果、豊富な海の恵みからとれた塩をおくってもらったというわけである。
能登は海の恵みによって栄えた地だ。
塩は海の恵みの象徴。その地で製法を育んだ塩である。
近年の苦難でこの地の産業は苦難に陥っている。
能登の危機。
公の復興は中々進まない、正直政府は頼れない状況。
ゆえに助ける、支援する。
――助ける。
日本を守るために戦う草薙である。
日本の地方を支援するのはある意味当然であった。
そして贈られた塩は。
塩は調味料である。
基本的になにかにかけて食べるものだ。
だが草薙は最初、あえて塩のみを食した。
「……うまみ」
うまみがある。
濃い旨味。通常の塩よりも濃厚な旨味を感じた。
なるほど、これは特殊な塩。
「もう一口」
塩のみをもう一口。
「……うまい!」
濃厚な塩だ。能登伝統の製法で作られた塩は、海の力を独特の形で濃縮させたかのようだった。
塩には栄養がある。
カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄等。
ミネラルがあるのだ。この塩もしっかりありそうだ。
「塩単体でもうまいな」
だが塩は調味料。だがこの塩を感じられる食がいいと思った。
(この塩をでなにを食うか……)
選んだのは……
◆
――塩おにぎり
「それもまた良し」
おにぎり。
米に塩をかけるだけの古式ゆかしきおにぎりだ。
草薙は米をにぎった。
おにぎりの形になる。
そして……石川県、能登の塩をかけた。
米に白い塩がまぶされていく。
それをにぎる。
そして……
「……うむ」
食す。
結果は……
「……うまい!」
米に合う。すごく合うといってもいい。
濃厚な塩の味。
だからか、満足感のある塩おにぎりになった。
「――良かった」
――支援して良かった。
草薙は思った。
(金額は、微々たるもんだが)
ささやかな金額、ささやかな支援。
だが――
「――それもまた良し」
(頑張れよ、石川!)
(頑張れよ、能登!)
(頑張れよ、関わる多くの日本人!)
草薙悠弥は石川応援。
日本の地方を、能登の産業を応援したのであった。