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熱を、感じた(救出)
2025-02-28 07:56:24
i937364
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エルフの姫君は戦いを見つめていた。

突如として現れた風の勇者。
――間違いない。確信があった。

蒼をまとい、魔を討つ討滅の風。
その刃は、血と死と絶望に満ちた処刑場を薙ぎ払い、すべてを飲み込む闇を切り裂いた。

「――」
ただ一心に、剣姫は風を掴む。

ジュクン。

「――!?」

熱を、感じた。

その熱は剣姫の全身を駆け巡る。
戦場の熱とは異なりながらも、それを上回るほどの「熱」だった。

(熱い……)

苦しい時に。
悲しい時に。
助けが欲しいその時に。

祈りに応える風。

その蒼風は、剣姫の胸に熱を灯したのだった。